飛躍の源泉

わかりやすさで伝える技術

明治大学経営学部教授(中小企業研究)
岡田浩一 氏

1948(昭和23)年創業の株式会社タダフサ(新潟県三条市)は、家庭用・業務用包丁のメーカー。創業以来の心得である「本当に良いもの」を提供するため、1丁1丁、職人の手作業で包丁が作られている。

包丁には非常に多くの種類があり、「どれを買えばよいのかわからない」という消費者が少なくないのではないだろうか。

そこでタダフサは、まずこれだけそろえれば十分で、かつ消費者にその良さも知ってもらえる万能包丁、ペティナイフ、パン切り包丁を「基本の3本」とし、料理の技術を上げた人向けにそろえてほしい包丁を出刃包丁、刺身包丁など4種類の中から選ぶ「次の1本」と銘打ち、「わかりやすい7本シリーズ」という情報発信で消費者の心をつかんでいる。

情報発信の巧みさだけではなく、技術に裏打ちされた切れ味と使い勝手の良さが基本にあることは言うまでもない。特にパン切り包丁は、パンくずがほとんど出ない、軟らかい食パンでも切り口がつぶれないといった切れ味が、使った人をびっくりさせる。

3代目の代表取締役社長、曽根忠幸氏は「技術を培ってきた先人の思いを継承し、地域の技術を残していくため、海外市場も見据え、包丁作りの進化に取り組んでいる」と話す。

2016年9月12日

株式会社タダフサ :

新潟県三条市東本成寺27-16
【株式会社タダフサ HP】

過去記事一覧

プロフィール 岡田浩一

1962年新潟県生まれ。
2001年に明治大学経営学部教授に就任。専門分野は中小企業経営論。ロンドン大学ロイヤルホロウェイ客員研究員、日本中小企業学会理事、中小企業IT経営力大賞選考作業部会長、攻めのIT経営中小企業百選選定委員長。主な著書に「中小企業のIT経営論」など。

岡田浩一