飛躍の源泉

地域を醸し、未来を拓く

名城大学経済学部特任助手
大前 智文 氏

長野県下伊那郡松川町、一面に広がるりんご畑の中でジュース・果実酒を製造・販売する信州まし野ワイン株式会社。自社農園ならびに地元農業者が生産した「ふじ」、「王林」などの単一品種のりんごを100%使用したジュースや、山葡萄(ぶどう)のワイン、りんごワインなど、バラエティ豊かな果実酒が人気を博している。

1990年代、りんご果汁の輸入が自由化されるとともに、安価な外国産果物・ジュースとの競争が本格化した。経営環境の変化に対応するために、1991年、地元農業者の加工組合を母体に設立。まったくの未経験からワイン醸造に挑戦した。以来、試行錯誤を重ねながら、地元産の様々なぶどう品種・原材料から「この地域ならではのおいしいワイン造り」を目指している。近年では、りんごの発泡酒「シードル」の生産を開始。地元農業者からの「新しい種類の『ふるまい酒』が欲しい」という要望がきっかけだったという。

同社が立地する増野(ましの)地区は、戦後海外から帰還した人たちが入植・開墾した土地だ。これからも先人の開拓精神を胸に、地域の果樹生産の振興を支えるとともに、地域の豊かで良質な原材料に支えられる企業として、地域全体の発展・成長を醸(かも)していく。

2016年12月26日

信州まし野ワイン株式会社 :

長野県下伊那郡松川町大島3272
【信州まし野ワイン株式会社 HP】

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大前智文

1982年愛知県生まれ。
2013年に名城大学経済学部特任助手に就任。同年より日本中小企業学会幹事。駆け出しの研究者としてフィールドワークを重ね、中小企業に関する調査・研究に取り組む。

大前智文