日本の問題

世界も日本も回復基調

青山学院大学特別招聘教授、元財務官
榊原英資氏

国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通し(WEO、2017年7月23日発表)で、世界経済の回復は引き続き順調で、世界産出の成長率を2017年は3.5%、2018年は3.6%と予測している。

2017年と2018年の景気回復は2015年と2016年にマイナス成長だったロシアやブラジルがプラスに転じたことが大きい。これは原油や鉄鉱石価格などが2015~2016年の下落から上昇に転じたことが主要な原因だ(WTI原油価格は2016年の1バレル=43.23米ドルから2017年1月~6月には1バレル=50.07米ドルに上昇した)。

その結果、新興国・地域と途上国・地域の成長率は2016年の4.3%から2017年4.6%、2018年4.8%に上昇すると予想。先進国・地域の成長率も2016年の1.7%から2017年には2.0%に上昇する(2018年は1.9%)との予想だ。2017年は先進・新興・途上各国・地域ともに景気回復の年。日本の2017年の成長率も前回予想から0.1ポイント上方修正され1.3%となっている。回復を次の成長へとつなげることが大切だ。

2017年10月2日

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榊原英資 さかきばらえいすけ氏

1941年生まれ。
1965年大蔵省(現財務省)入省。東海財務局長、大臣官房審議官(国際金融局担当)、国際金融局次長、国際金融局長を経て1997~1999年財務官。現在は青山学院大学特別招聘教授、財団法人インド経済研究所理事長。
【財団法人インド経済研究所HP】

榊原英資氏