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日本記録に並んだハードラー
五輪メダルへライバルと競う

スポーツライター
石川 哲也 氏

パリ五輪を翌年に控え、8月の世界陸上で金、銅のメダル1つずつと11人の入賞者を出し、躍進著しい日本陸上界にまた期待の星が現れた。男子110m障害の村竹ラシッド (順天堂大) だ。

9月16日の日本インカレ同種目で、村竹は0.9mの向かい風をものともせず、重心低く上下動の少ないハードリングで日本タイ記録となる世界陸上銀メダルに相当する13秒04をマーク。「13秒15くらいが出たらいいなと思っていたので、ちょっとびっくり」と本人も驚いた。

日本記録で並んだ泉谷駿介 (住友電工) は大学の2年先輩で、背中を追い続けてきた。「自分はまだ (13秒0台を) 1本出しただけ。泉谷選手のようにコンスタントに出せるようにならないと」

身体能力の高さは折り紙付きで、ライバルと切磋琢磨していけば、世界トップレベルの12秒台、そして日本短距離界の悲願である五輪個人種目でのメダル獲得も夢ではないだろう。

2023年10月10日

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石川哲也氏

1977年神奈川県生まれ。
野球を中心にスポーツの歴史や記録に関する取材、執筆をライフワークとする。著書に『歴史ポケットスポーツ新聞 野球』(大空出版)、『メジャーリーグ「大記録」への挑戦』(宝島社)など。