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不世出の守護神・藤川球児
最終登板もオール直球勝負

スポーツライター
石川 哲也 氏

長く阪神タイガースのストッパーを務めてきた藤川球児がユニフォームを脱いだ。現役最後の登板となったのは11月10日の甲子園球場での巨人戦。最終回にマウンドに上がると、最速149キロ、全12球ストレート勝負で2奪三振、三者凡退に切って取った。

「僕の"火の玉ストレート"には、甲子園球場のライトスタンドの大応援団の皆様、チームの思い、そして全国のタイガースファンの熱い思いが詰まっています。野球選手・藤川球児は、皆様の気持ちの塊だったのだと思います」

名球会入りの条件である日米通算250セーブまであと5と迫りながら「身体の準備が整わないのはプロ失格。ファンに失礼なことはできない」と記録に恋々とせず引退を決意した。試合後のセレモニーでも涙はなし。"火の玉ストレート"のようにすがすがしく不世出の守護神は、慣れ親しんだ甲子園のマウンドを去った。

2020年11月30日

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石川哲也氏

1977年神奈川県生まれ。
野球を中心にスポーツの歴史や記録に関する取材、執筆をライフワークとする。著書に『歴史ポケットスポーツ新聞 野球』(大空出版)、『メジャーリーグ「大記録」への挑戦』(宝島社)など。