飛躍の源泉

荒波を乗り越える「顧客支援力」

立教大学経済学部教授(金融論)
山口 義行 氏

インターネットを通して大企業から原料や機材を購入する小売業者が増え、地域の卸業者は存亡の危機にさえ立たされている。

そんな時代の荒波を乗り越え、創業160年の伝統を守りながら発展を遂げているのが新潟県新潟市にある株式会社渡森。製菓主原料や厨房機械を取り扱う卸商社である。

同社の持続的発展を支えてきたのは「顧客支援力」だ。「注文を受けて商品を運ぶ」だけでは便利な運送会社になる。製菓原料や厨房機器に関する最先端情報の提供はもちろん、メニュー作りや包装資材選び、店舗設計の提案までして繁盛店づくりに貢献してきた。

さらには、菓子を作って売るために不可欠な業界人の供給にも貢献。「にいがた製菓・調理師専門学校えぷろん」を立ち上げて、自ら菓子職人を養成し、その人材を地域の小売店に紹介している。すでに世界トップクラスの菓子職人を何名も輩出しているという。

「時代とともに変化し続ける『老舗』でありたい」。専務取締役の渡辺建太氏はそう語る。そもそも経営とは「時代との対話」である。「時代は今、自社に何を求めているのか」。それを問い、その答えを聞き取ることで自己変革を遂げていく。「老舗」とは、その不断の努力が結実した「ブランド」なのである。

2016年3月14日

株式会社渡森 :

新潟県新潟市東区卸新町2丁目916-8
【株式会社渡森 HP】

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山口義行(やまぐちよしゆき)氏

1951年愛知県生まれ。
2001年に立教大学経済学部教授に就任。外務省参与として中小企業の海外展開、関東経済産業局「新連携支援」政策の事業評価委員長として中小企業連携支援にかかわるほか、企業経営者との勉強会を全国で開催するなど、自ら中小企業支援を積極的に展開。
【山口義行・公式HP】

山口義行氏