スポナビ

混迷の大相撲、平幕・大栄翔が
持ち味を貫いて初優勝

スポーツライター
石川 哲也 氏

両横綱を含む関取19人が休場し、混戦となった大相撲一月場所(初場所)。ほぼノーマークの西前頭筆頭・大栄翔が3大関を撃破する快進撃で優勝争いをリード。2敗の単独トップで迎えた隠岐の海との千秋楽は、勝てば賜杯をものにする大一番となった。

「自分の相撲を取りきるしかないと思っていたので、悔いのないよう思いっきりいきました」

体格で勝る相手にひるまず、立ち合いで頭から強く当たると、すかさず破壊力抜群の突っ張りを連発。わずか4秒7の速攻で突き出し、勝ち名乗りを上げた。

「今場所は自信になる相撲がたくさんあったので、これからもこういう相撲を取っていきたい」

持ち味の突き押し相撲を貫いてつかんだ初の栄冠。場所ごとに優勝者が替わる"戦国時代"に突入した角界にまた1人、新星が現れた。

2021年2月22日

過去記事一覧

石川哲也氏

1977年神奈川県生まれ。
野球を中心にスポーツの歴史や記録に関する取材、執筆をライフワークとする。著書に『歴史ポケットスポーツ新聞 野球』(大空出版)、『メジャーリーグ「大記録」への挑戦』(宝島社)など。