きらめき企業

食品から電子基板まで
粉砕のプロフェッショナル

東洋大学経営学部教授
山本 聡 氏

東京都葛飾区東四つ木の住宅地に立地する槇野産業株式会社。 1926(大正15)年の創業以来、多様な粉砕機を製造・販売してきた。もともと、粉砕機は「穀物を粉砕し、食べやすくする」という行為が起源。そのため、同社の製品もイリコやビスケット、寒天、魚粉、唐辛子といった食品用途が多い。食品以外では紙おむつ、石膏ボード、電子基板の粉砕機を製造している。

そんな同社の主力製品は社名を冠した衝撃式粉砕機の「マキノ式粉砕機」。戦後の食糧難に対応するため、国策として1万台以上生産されたという。ドイツやアメリカ、中国、台湾の機械メーカーと提携し、海外製機械の販売代理店としての実績も重ねた。

同社は外部に向けた情報発信にも積極的だ。顧客業界が多岐にわたるため、食品工業展や粉体工業展、プラスチック展といった様々な展示会に参加し、最近では動画サイトでも自社製品をアピールしている。

また、地域連携も同社の経営を彩る特徴。常務取締役の槙野雄平氏が中心になって地元の若手経営者団体「ものコト100(ワンハンドレッド)」で活動し、地域活性化イベントなどにも積極的に参加。葛飾区などが主催する「町工場見本市」にも2015年の第1回から出展している。

2021年7月19日

槇野産業株式会社

東京都葛飾区東四つ木2-11-8
【槇野産業株式会社 HP】

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山本聡

1978年生まれ。
機械振興協会経済研究所、東京経済大学経営学部専任講師・准教授を経て2019年4月から東洋大学経営学部教授 (担当は中小企業経営論)。金型や部品加工など素形材産業を主な対象としながら、国内外の中小企業の経営体制の変化を解明することが研究テーマ。経営者や技術者向けにレポートを執筆するほか、さまざまなセミナー講師も務める。

山本聡