きらめき企業

すべての人を幸せに
脱下請けメーカーの思い

玉川大学
経営学部准教授
長谷川 英伸 氏

洗浄機や油圧機器、減速機などを製造・販売する兵庫県明石市の森合(もりごう)精機株式会社。1947(昭和22)年に創業し旋盤加工メーカーの専属下請けをしていたが、脱下請けを志向し、1980年代に部品洗浄機の自社開発に成功した。

同洗浄機は生産工程間で部品の油汚れを取るもので、生産ラインに組み込まれるため、顧客の工場の仕様に合わせた受注生産が基本。液体フロンではなく、水を用いるため、環境問題が顕在化した1990年代以降、売り上げを大きく伸ばした。

自社製品を中国で販売するため、販売拠点を現地に構え、自動車・建機業界に洗浄機を販売。代表取締役の森合政輝氏は「グローバル化とは世界を見て、業界の動向を見ながら自社の方向を決めること」と語る。

一方で、森合氏は機械メーカーから減速機事業を譲り受けたり、後継者難で事業を継続できなかった食品・医療機器の板金加工メーカーを傘下に収めるなど、M&Aも積極的に進めている。「その会社の事業とそこで働いている人たちの雇用を守りたかったから」と話す森合氏。

同社にかかわるすべての人を幸せにしたいという思いが事業推進の原動力になっている。

2021年12月6日

森合精機株式会社

兵庫県明石市二見町南二見10-2
【森合精機株式会社 HP】

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プロフィール 長谷川英伸

1982年生まれ。
2013年玉川大学経営学部助教、2018年から准教授。専門分野は中小企業の企業間関係。特に中小企業間のネットワークから生み出される新製品、新サービスのプロセスについて分析し中小企業の存立維持可能な要因を模索している。中小企業経営のセミナーなどの講師も務める。

長谷川英伸