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姉妹で切磋琢磨、記憶に残る
髙木菜那のスケート人生

スポーツライター
石川 哲也 氏

スピードスケート女子で3度の五輪に出場した髙木菜那が2021-22年シーズン限りで現役を引退した。

菜那は金、銀計3個の五輪メダルを獲得した実力者だが、常について回るのは、同じ競技の第一人者である妹・美帆の存在だ。引退会見では「乗り越えないといけない壁として、つらい時期もあったが、妹がいなければ今の自分はいない」と、複雑な心境を吐露した。

2018年平昌五輪の団体パシュートで美帆とともに金メダルを獲得した。五輪の姉妹同時金メダルは日本初の快挙。2人が得た五輪メダルは計10個を数える。一方、美帆とともに出場した2022年北京五輪の団体パシュートは自身の転倒で連覇を逃す苦い経験もしたが「最後に美帆の姉ではなく、髙木菜那として氷の上に立てた」と悔いはない。

姉妹で切磋琢磨してきた、そのスケート人生は、数々の記録とともに、多くの人々の記憶に残り続けるはずだ。

2022年4月18日

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石川哲也氏

1977年神奈川県生まれ。
野球を中心にスポーツの歴史や記録に関する取材、執筆をライフワークとする。著書に『歴史ポケットスポーツ新聞 野球』(大空出版)、『メジャーリーグ「大記録」への挑戦』(宝島社)など。