きらめき企業

障がいのある人がつくった雑貨とコーヒーの店

神戸国際大学経済学部教授
中村 智彦 氏

京都市の観光名所である祇園や知恩院のほど近く、住宅や商店が並ぶ一角に1軒の長屋がある。生活感が漂うその路地の長屋で開業するのが「雑貨屋ごろね」。かわいくディスプレーされた商品が並び、おいしそうなコーヒーの香りが漂うここは「作業所製品のセレクトショップ」だ。

店長の久本麻央氏は、友人に誘われて障がいについて学ぶ勉強会に参加し作業所の存在を知った。「障がいを持っている方たちや支える方たちが思いをもって、ものづくりをしていることに感動しました」

そこで気づいたのが、製品の販路が少ないこと。勤めていた会社を退職した久本氏は縁があってこの長屋で店を開くことになった。「一昨年(2020年)の7月に開店して1年余がたちました」と久本氏。「たまたま立ち寄り、職場のお土産に買って帰ったら、完成までたくさんの人が関わっている商品であることがわかったというお客様もいらっしゃいました。小さなお店ですが、人と人をつなげていければ」と久本氏は話す。

口コミや雑誌の記事で気になった製品を見つけると、作業所に直接連絡をして商品を仕入れる。「これから店に立ち寄る人が増えてくれたら」と張り切っている。

2022年1月24日

雑貨屋ごろね

京都府京都市東山区古門前通東大路西入古西町317番地 三善路地4号室
【雑貨屋ごろね HP】

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中村智彦氏

1964年生まれ。
大阪府立産業開発研究所などを経て2007年から神戸国際大学経済学部教授。専門である中小企業論・地域経済論では、現地での調査・研究を重視。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興プロジェクトにも数多く参画している。
【中村智彦(オフィシャルページ)】

中村智彦氏