日本の問題

真田幸村の生き残り戦略に学ぶ

大阪経済大学客員教授・経済評論家
岡田 晃 氏

歴史を題材にした講演を依頼される機会が増えている。最近は明治維新関連のテーマが多いが、同じぐらいリクエストが多いのが戦国武将の真田幸村。なぜ真田幸村が人気なのか。

真田幸村の父・昌幸は仕えていた武田家が滅んだ後、織田、徳川、上杉、北条など、次々と主人を変えていった。まだ弱小だった真田家としてはやむを得なかったのだが、実は各有力大名が真田の知略を欲しがったという背景もあったのだ。これは、大企業が提携したがるような独自の技術力などを持つことが、中小企業にとって重要なことを暗示している。

関ケ原の戦いの後、真田昌幸・幸村親子は高野山のふもと・九度山に流され、14年にわたって苦しい時期を過ごす。その生活は「あきらめない」ことの大切さを教えてくれる。

そして最後。幸村は大阪冬の陣と夏の陣で大活躍し、一時は徳川家康の本陣に突入して家康を追い詰めたという。「大企業」を相手に一歩も引かぬ闘いだったというわけだ。

真田親子は、まさに現代の「戦国時代」で生き残りをかける中小企業にとって、多くのヒントを与えてくれている。そして何よりも元気をくれる存在なのだ。

2019年2月18日

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岡田 晃氏

1947年生まれ。
日本経済新聞社産業部記者、編集委員、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」マーケットキャスター、経済部長、WBSプロデューサー、テレビ東京アメリカ社長などを歴任し、2006年に経済評論家として独立。同年大阪経済大学客員教授にも就任。

岡田 晃(おかだあきら)