きらめき企業

顧客の製品の付加価値を高める
イオンプレーティング技術

玉川大学
経営学部准教授
長谷川 英伸 氏

イオンプレーティングの受託加工事業を展開している福井県鯖江市の株式会社NCC。イオンプレーティングとは真空中で金属を熱やプラズマエネルギーによって気化させ、更に反応性ガスと組み合わせてセラミック化し、製品に照射・堆積していくコーティング技術だ。1950年代に宇宙開発技術の一環としてアメリカのNASA(アメリカ航空宇宙局)が開発。摩耗耐久性や密着性、人体への安全性の高さが特徴だ。

フォークやスプーン、陶磁器の皿、自動車のマフラー、シャワーヘッド、ボールペン、鉄製の理美容はさみ、チタン製のネックスレスチェーンなどにコーティングされている。

同社はイオンプレーティング装置を自社で開発し、製品の性能を熟知しているため、顧客の多様な要望に応えることができる。メタリック調のゴールドやグレー、ブラウン、ブラック、ブルーなどのカラーリングが可能で、顧客はカラーリングによって、自社製品の付加価値を高めることができる。特に一般消費者向け製品の製造・販売事業者に重宝されている。創業者で会長の下内孝博氏は「単なるメッキ事業ではなく、付加価値を顧客に提供する事業と考えている」と話す。

2022年11月14日

株式会社NCC

福井県鯖江市吉谷町2-97
【株式会社NCC HP】

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プロフィール 長谷川英伸

1982年生まれ。
2013年玉川大学経営学部助教、2018年から准教授。専門分野は中小企業の企業間関係。特に中小企業間のネットワークから生み出される新製品、新サービスのプロセスについて分析し中小企業の存立維持可能な要因を模索している。中小企業経営のセミナーなどの講師も務める。

長谷川英伸