飛躍の源泉

用途が無限に広がる「プラダン」

明治大学経営学部教授(中小企業研究)
岡田浩一 氏

1974(昭和49)年に創業した京都府綴喜(つづき)郡宇治田原町の株式会社ヤマコーは、プラスチックダンボール(プラダン)の加工・販売会社である。包装資材の販売会社としてスタートした会社だが、現在はプラダンに特化した専門メーカーとして事業展開している。

ポリプロピレン製の中空シートであるプラダンは、従来の紙ダンボールに比べて耐久性、耐水性、断熱性、耐薬性に優れていることから、様々な物品の運搬、保管などに適しており、リサイクルも可能。さらに「曲げる」、「つなげる」など、いかなる形状にも加工できることから、その用途は拡大している。

従来の利用範囲を超え、近年では医療、研究、食品、建設、農業、イベント分野など、その用途が無限の広がりを見せるとともに、繰り返し使えるため環境問題への対応、エコ社会の実現に向けてのビジネス価値も有している。

「プラダンの素晴らしさを社会に広め、プラダンで日本を代表するオンリーワン企業を目指す」という経営ビジョンのもと、新たなニーズを掘り起こし、成長を続ける同社。無限に広がる用途において、ユーザーのあらゆるカスタマイズに対応できる生産力と体制を持つ国内唯一といえるプラダン専門メーカーとして「ニッチトップ」を走り続けている。

2017年6月26日

株式会社ヤマコー :

京都府綴喜郡宇治田原町緑苑坂54-2
【株式会社ヤマコー HP】

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プロフィール 岡田浩一

1962年新潟県生まれ。
2001年に明治大学経営学部教授に就任。専門分野は中小企業経営論。ロンドン大学ロイヤルホロウェイ客員研究員、日本中小企業学会理事、中小企業IT経営力大賞選考作業部会長、攻めのIT経営中小企業百選選定委員長。主な著書に「中小企業のIT経営論」など。

岡田浩一