飛躍の源泉

地元の農家と農業を活かす

立教大学経済学部教授(金融論)
山口 義行 氏

株式会社丸屋本店は、1878(明治11)年創業の和菓子店。新潟市内を中心に24店舗を展開しているが、約140年にわたる歴史は「伝統を守る」ことだけで築かれたものではない。新潟は老舗菓子店が多い激戦区。代表取締役社長の本間彊(つとむ)氏は新潟の多くの菓子店が「東京ばかりに視線が向いている」ことに気付き、「新潟ならではのものを作るべきだ」と考え、新商品開発に挑んだ。

たどり着いたのがヒット商品となった「新潟果樹園ル・レクチェ」。最高級とされる洋梨のル・レクチェをフランス風ジュレに仕立てた逸品。新潟県加茂市山嶋地区の土壌は洋梨の栽培に適している。その地の農家と連携することで「地域を活かした商品」となった。

洋梨のほかにも白桃、トマト、枝豆、栗など、新潟には料亭や菓子店だけが知る「越後の恵み」が多くある。本間氏はそうした農家の生き様を消費者にもっと伝えるべきだと考え、農家のこととこだわりの生産工程を物語風に綴ったパンフレットを作成。「ファーマーズ・スイーツ」と名付け、地元農家との連携商品を積極的に販売する。

本間氏は言う。「伝統を活かし、地域を活かす。そのためには、老舗こそもっとも革新的でなければいけないのだと思います」と。

2017年8月14日

株式会社丸屋本店 :

新潟県新潟市中央区東堀通6-1038
【株式会社丸屋本店 HP】

過去記事一覧

山口義行(やまぐちよしゆき)氏

1951年愛知県生まれ。
2001年に立教大学経済学部教授に就任。外務省参与として中小企業の海外展開、関東経済産業局「新連携支援」政策の事業評価委員長として中小企業連携支援にかかわるほか、企業経営者との勉強会を全国で開催するなど、自ら中小企業支援を積極的に展開。
【山口義行・公式HP】

山口義行氏