飛躍の源泉

「働き方改革」で課題克服

明治大学経営学部教授(中小企業研究)
岡田浩一 氏

群馬県桐生市で2005年に創立した有限会社COCO-LO(ココロ)は、「働き方改革」で注目される介護サービス事業者。高齢化社会の進展で、介護サービスへのニーズが高まる一方、介護サービスをめぐる事業環境は厳しく、労働力不足や重労働といった課題がのしかかる。同社は、こうした課題を克服して、被介護者に充実した介護サービスを提供している。

介護士をはじめとする会社スタッフたちが抱える出産、育児、あるいは介護など、それぞれの事情に応じた働き方ができる会社の仕組みをつくった。スタッフが持つスマートフォン等の機能を使ったスケジュール管理で、それぞれのスタッフが、働ける時に働ける時間内で介護サービスを提供するのである。

さらに、スタッフ間で業務日報、業務内容などの情報を共有し、被介護者へシームレスな(途切れのない)サービスを提供できる仕組みを構築。その結果として「この会社なら働ける」という介護士も集まってきている。スタッフの物心両面の充実は、被介護者の満足度向上ももたらし、会社の成長へとつながっている。

「心と心のつながりを感じられるお付き合いを」をテーマに利用者とスタッフ双方を大切にして介護サービス事業の向上を目指している。

2017年8月28日

有限会社COCO-LO :

群馬県桐生市相生町2丁目261-3
【有限会社COCO-LO HP】

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プロフィール 岡田浩一

1962年新潟県生まれ。
2001年に明治大学経営学部教授に就任。専門分野は中小企業経営論。ロンドン大学ロイヤルホロウェイ客員研究員、日本中小企業学会理事、中小企業IT経営力大賞選考作業部会長、攻めのIT経営中小企業百選選定委員長。主な著書に「中小企業のIT経営論」など。

岡田浩一